トヨタ、新型「センチュリー」・・・テーマは「継承と進化」

トヨタ自動車は6月22日、最高級セダン「センチュリー」を21年ぶりにフルモデルチェンジし、全国のトヨタ店(一部地区はトヨペット店)を通じて販売を開始した。今回の新型で3代目となる。
センチュリーは、政財界の要人などに向けたショーファードリブンカー(お抱えの運転手が運転することを想定したクルマ)の最高級セダン。価格はガソリン車からハイブリッド(HV)車のみになった事もあり、先代の最終期の1253万8000円から約700万円アップし、1960万円(税込)になる。
外観は重厚で威厳のあるデザインを継承し、ボディーは熟練職人の手作業によって、曇りのない鏡面に仕上げた美しい塗装が施されいる。フロントは工匠が金型を約1カ月半かけて手彫し、作りされた鳳凰は躍動する翼のうねりや、繊細な羽毛の表情を鮮やかに描き出されている。新型でも鳳凰のエンブレムを継承・進化させながら、縦格子のフロントグリル奥には新たに「七宝(しっぽう)文様」を採用。側面ショルダー部のキャラクターラインには「几帳面」と呼ばれる、平安時代の屏障具(へいしょうぐ)の柱にあしらわれた面処理の技法を採用。端正に並んで走る2本の線を角として研ぎ出し、わずかな隙に淀みなく通した面を1本の線として際立たせる事で、高い格調を表現した。
外観色は基本色になる黒色に、新開発の「神威(かむい)エターナルブラック」というカラーを採用。この新開発の神威エターナルブラックは、漆黒感を高める黒染料入りのカラークリアなどを含む7コート5ベーク構造。流水の中で微細な凹凸を修正する「水研ぎ」を2人の職人の手で約90分×3回実施し、一点のくもりも残さないよう「鏡面仕上げ」を施す工程も追加されている。黒色の他にも青系の「摩周(ましゅう)シリーンブルーマイカ」、赤系の「飛鳥(あすか)ブラッキッシュレッドマイカ」、銀系の「精華(せいか)レイディエントシルバーメタリック」の全4色。更に全色とも自己修復型対スリ傷性クリヤー「セルフリストアリングコート」を採用している。
センチュリーは専属の運転手に任せて、オーナーやゲストは後席に乗るショーファードリブンカーである故に、後席最重視で設計されている。新型は前代と比べ全長65×全幅40×全高30mm拡大され、全長5335×全幅1930×全高1505mm 、ホイールベースが65mm拡大され3090mmとなった。65mm延長したホイールベースを生かし後席スペースの拡大や、後席のスカッフプレートと床面の段差も減らし、乗降のしやすさにも配慮。室内は、タモ杢を用いたブラウン又はアッシュ杢を用いた、シルバーの加飾を随所に用いることで前後席の空間を区切りながら、居室天井の中央部を上方へ一段高く凹ませる建築様式「折り上げ天井様式」を採用。更に天井には、卍を組み合わせた「紗綾形(さやがた)崩し柄」の織物を用いる事で、後席の格の高さを表現している。
後席には、7インチ大型タッチパネルを内蔵する後席アームレストがあり、タッチパネルから、オーディオに加えエアコン、シート、リフレッシュ機能、カーテンなどを操作できる。11.6インチモニターをフロントセンターコンソール後背部に配置。Blu-rayディスクプレイヤーやSDカードスロット、HDMI入力端子、ボリューム付きヘッドホン出力端子2個を備える。更にMiracastやDLNAにも対応する事で、モバイル端末やPCに保存された映像・音楽の再生も可能にしている。12chオーディオアンプと20個のスピーカーも搭載している。後席左側には、無段階に調整可能な電動オットマンや、座り心地を追求したリフレッシュ機能付き電動シートを採用。シート生地は、繊細なジャカード織り柄を採用した高級ウールファブリック仕様「瑞響(ずいきょう)」が標準で、カラーはグレー、ブラウン、ベージュの3色。本杢加飾はいずれもブラウンのタモ杢が組み合わされる。また、54万8000円のメーカーオプションで、傷のない部分を厳選した上質な革を丹念になめした本革仕様「極美革(きわみがわ」を設定。カラーはブラックとフロマージュの2色で、本杢加飾はいずれもブラウンのタモ杢又はシルバーのアッシュ杢から選択可能。
パワートレインは、5リッターのV型8気筒エンジンと電動モーターを組み合わせたHV仕様になる。従来モデルにあった国内メーカー唯一の存在だったV型12気筒エンジンは残念ながら廃止されたが、HVシステムによって環境性能を向上させている。エンジン音や振動を極力抑える「アクティブノイズコントロール」、AVS(Adaptive Variable Suspension System:可変減衰力)機能付きの電子制御エアサスペンション、新開発の専用タイヤなどを備え、最高級車にふさわしい「静粛性」と「安定した乗り心地」の性能を従来モデルより大きく高めた。因みにタイヤは、細かいフィンスポークが伸びる18インチ専用ホイールに、225/55R18サイズを組み合わせた乗り心地最優先で、設計された専用品になる。
衝突回避支援などを含めた安全運転支援システム「Toyota Safety Sense」、隣車線などの死角を走る車両を検知する「ブラインドスポットモニター」、周辺状況を検知して駐車をサポートする「パーキングサポートアラート」など、要人を乗せるための車両にふさわしい先進的な安全支援機能も満載。万が一時の事故や急病人発生などの緊急時に専門のオペレーターが遠隔サポートする「ヘルプネット機能」や、車両データを基にドクターヘリなどの早期出動判断を行う「D-Call Net」にも対応します。
主要諸元
●全長×全幅×全高(mm):5335 × 1930 × 1505 ●ホイールベース(mm):3090 ●車両重量(kg):2370 ●エンジン:5LV8DOHC(381PS/52.0kg・m)+モーター(165kW/300N・m) ●JC08モード燃費:13.6km/L ●燃料タンク容量(L):82[プレミアム] ●最小回転半径(m):5.9

