高い信頼度を誇る、トヨタの本格派SUV「ランドクルーザープラド」
近年、ユーザーから人気が高いSUVですが、実は日本で販売しているSUVの多くがセダン(カムリなど)のプラットホームを採用しており、舗装された道路を走行する事を想定した設計になっている。それが高級サルーン(セダン)の乗り心地と快適性を兼ね備えたクロスオーバーSUVとして開発された「ハリアー」や、SUVでは珍しく運動性能にこだわって開発された「C-HR」である。
そして、全く舗装されていないの悪路や、鉱山などで岩に乗り上げた程度では問題なく走行できる丈夫なラダーフレームを採用した本格派SUVは希少なモデルになる。トヨタで本格派のSUVは、世界中で高い信頼を得ている「ランドクルーザーシリーズ」、2017年に復活したピックアップトラックの「ハイラックス」がある。また、個性的な外観を持つことから日本にも根強いファンがいた「FJクルーザー」だが、2018年1月で販売終了している。
ランドクルーザープラドのシャシーは、ボディの3倍程度の分厚い鋼板で組まれたラダーフレーム構造(ハシゴ型)を採用。強固なハシゴ型のフレームの上に、ラバーマウントを介してボディが載せられる。
搭載されるエンジンは、2.7リットルのガソリンエンジンと、2.8リットルのディーゼルターボエンジンの2モデルある。ガソリンエンジンのパワーは必要十分レベルだが、エンジン重量が軽いため、操縦性能には軽快感がある。
ディーゼルターボエンジンは、4.0リットルV6に替わって2015年6月に搭載された新世代エンジンで、排ガス浄化システムには最も効果の高い尿素SCRを採用。また、ディーゼルエンジンのトルク特性は比較的フラットで、驚くような加速力はないが必要な速度にはすぐに達する実力を持つ。
ランドクルーザープラドは、2017年9月に二度目のマイナーチェンジが実施され、フロントマスクを一新。有機的な表情から、シャープな表情へと変貌を遂げた。更に、運転支援システムは「トヨタセーフティセンスP」を全車標準装備化し、安全性の向上も実施。最上級の「TZ-G」グレードには、リヤにトルセン式LSDを標準装備化するなど、走行性能の向上も図られた。
1列目は大きく、厚みのあるシートで座り心地は良好。2列目は座面がややフラットで後傾角が不足気味なので、深く腰掛けるような姿勢にはなりにくい。3列目は床から座面までが低く、膝を抱えるような姿勢になる。ウォークインは助手席側に用意される。
《車両サイズなど》
・全長×全幅×全高:4825mm×1885mm×1850mm(【TZ-G】1835mm)
・ホイールベース:2790mm
・室内長×室内幅×室内高:2520mm×1565mm×1240mm(チルト&スライド電動ムーンルーフ装着:1175mm)
・トレッド前/後:1585mm/1585mm
燃料:ディーゼル車(軽油)/ガソリン車(レギュラー)
・トランスミッション形式:6速AT
・駆動方式:フルタイム4WD
・燃料タンク容量:87L
・最小回転半径:5.8m
〈ディーゼル〉
・最高出力:130[177]/3400kW[PS]/rpm
・最大トルク:450[45.9]/1600-2400Nm[kgm]/rpm
〈ガソリン〉
・最高出力:120[163]/5200kW[PS]/rpm
・最大トルク:246[25.1]/3900Nm[kgm]/rpm
《グレード》
◆TZ-G
【クリーンディーゼル】
・総排気量:2.8L
・JC08モード燃費:11.2km/L
・車両本体価格:536万3280円(定員:7人)
◆TX“Lパッケージ”
【クリーンディーゼル】
・総排気量:2.8L
・JC08モード燃費:11.8km/L
・車両本体価格:482万2200円(定員:7人)/466万7760円(定員:5人)
【ガソリン】
・総排気量:2.7L
・JC08モード燃費:9.0km/L
・車両本体価格:420万2280円(定員:7人)/404万7840円(定員:5人)
◆TX
【クリーンディーゼル】
・総排気量:2.8L
・JC08モード燃費:11.8km/L
・車両本体価格:430万7040円(定員:7人)/415万2600円(定員:5人)
【ガソリン】
・総排気量:2.7L
・JC08モード燃費:9.0km/L
・車両本体価格:369万2520円(定員:7人)/353万8080円(定員:5人)
〈尿素水(AdBlue)について〉
◆排気ガス中の窒素酸化物を低減するためにAdBlue(アドブルー)を使用。
・1,000km走行すると、1LのAdBlueを消費する。また、残量がなくなるとエンジンを再始動できなくなる
・走行可能距離が約5,000km以下になると、警告灯・警告メッセージが点灯する
・補充の際に誤ってこぼしてしまうと、車両の部品や塗装などの損傷につながるおそれがある為、補充する際は、トヨタ販売店で補充する方が良い