英アストンマーティン、SUVモデル『DBX』のフラグシップとなる新型「DBX S」
英アストンマーティンは、4月30日(現地時間)にSUVモデル『DBX』のフラグシップとなる新型「DBX S」を発表した。現在、オーダーを受け付け中。デリバリーは、2025年第4四半期を予定している。


新型「DBX S」は、モデル名の末尾に“S”を付けることで、2004年のパリモーターショーで一般公開した「ヴァンキッシュ S」と同様に、既存モデルの特別ハイパフォーマンス仕様を示している。

外観のフロントまわりは、新しいスプリッターとディフューザー、特徴的なラップアラウンドデザインのデイタイムランニングライトが存在感を高めるほか、サイドには車体の脇を通る空気の流れを導くエアスプリッターを配置。サイドミラー、サイドストレーキ、ドアシルは、カーボンファイバーも選択可能。フロントフェンダーの「S」のバッヂは、アストンマーティンの由緒あるウイングバッヂと同様にガラスエナメル加工された金属製で、赤い「S」の周囲はオーナーが選んだウイングの色に合わせて、ブライトクロームまたはダーククロームで覆われる。リアは、リアバンパーと、ディフューザーのデザインを刷新。サイドシルとウイングと共にカーボンファイバーを選択すればさらに7kgの軽量化を実現。また、新しくオプション設定の「カーボンファイバールーフ」は、18kgの軽量化に加え、重心が下に移ったことで、さらなる安定性と敏捷性を両立。さらに、強度が高いだけでなく驚異的な軽さを誇るマグネシウムホイールもオプションに設定。スチールに比べて約75%軽く、チタンの半分の重さで、アルミニウムと比較しても約1/3の軽量化を図れる。このオプションの23インチのホイールを選択した場合、バネ下重量をさらに19kg削減可能で、乗り心地やステアリングの精度とフィール向上に加え、インプットに対する即時の応答性も向上できるとしている。ちなみに、マグネシウムホイールを選択すると、ルーフレールも省かれるほか、軽量ポリカーボネートのハニカムグリルも指定可能となる。また、縦並びの新型クアッドエキゾーストは、グロス仕上げとマット仕上げのいずれかを選べる。ボディカラーは、「ロッソコルサレッド」「トロフィーシルバー」「ポディウムグリーン」の3色から選べる。







内装のシートは、上にいくほど幅が広くなってスピード感を表現するヘリンボーン模様を採用。オプションの「カーボンルーフ」を選択すると、ヘッドライナーにも同じヘリンボーン模様が使用される。シート、ヘッドライナー、センターコンソール、ロア・インストルメントパネル、アッパートリムには、アルカンターラを使用。シートベルトは、「S」を表現する赤色も選択可能となる。



パワートレインは、V型8気筒DOHC4.0リッターツインターボエンジンに、9速湿式クラッチトランスミッションを搭載。このパワートレインは、これから発売されるPHEV(プラグインハイブリッド)のミッドエンジンハイブリッドスーパーカー『ヴァルハラ』に採用している大型コンプレッサーホイールをはじめとしたターボ技術と、そのほかにもエンジン内部の改良により出力は「DBX707」よりも20PSアップの727PSに到達し、最高回転数でさらなる急激な出力アップを実現。最高速は、これまでの『DBX』と同じ310km/h、0-100km/h加速も3.3秒と同等だが、0-200km/h加速は、0.3秒の短縮に成功している。また、9速湿式クラッチトランスミッションは、回転範囲の拡大を反映してギアシフトポイントの調整が行なわれ、オートマチックでの「Sport」および「Sport+」モードでのシフトダウンは、さらにアグレッシブさが増している。