ロールスロイス、「スピリットオブエクスタシー」へのオマージュを込めた『ファントム・シンティラ』・・限定10台
英ロールスロイスモーターカーズは、8月16日に設立120周年を記念して、ロールスロイスのマスコットである「スピリット・オブ・エクスタシー」の幻想的な美しさ、優雅さ、伝統を称える限定10台のプライベートコレクションモデル『ファントム・シンティラ』を発表した。
今回の『ファントム・シンティラ』を制作するにあたり、新しい素材や「サモトラケのニケ」の魅惑的なイメージをさりげなく想起させるデザイン要素を取り入れる。また、「シンティラ」は、ラテン語で「閃光」を意味し、最初にひらめいたマスコット「サモトラケのニケ」にちなんだもの。「スピリット・オブ・エクスタシー」の幻想的な優雅さ、車両が通り過ぎるほんの一瞬だけ視界に映り込むものでありながらいつまでも残る深い印象を示唆したという。
『ファントム・シンティラ』のデザインは、「スピリット・オブ・エクスタシー」の素晴らしさを連想させる。エクステリアは、ボディ上部に「アンダルシアンホワイト」、ボディ下部にサモトラケ島を囲む海の色から着想を得た「トラキアンブルー」を用いた2トーンカラーを採用。繊細なメタリックフレークで海面を照らす太陽光の輝きを表現し、手塗りのダブルコーチラインと「スピリットブルー」のピンストライプにより、さらに優雅なエクステリアに仕上げている。また、ギリシャ彫刻「サモトラケのニケ」は、きめ細かい白いパリアン大理石で作られていることから『ファントム・シンティラ』では、「スピリット・オブ・エクスタシー」をセラミック材で仕上げ、優美な雰囲気はそのままにパリアン大理石の質感を巧みに再現している。
インテリアは、自動車が通り過ぎる時に垣間見える光のドレスの動きにインスピレーションを得たもので、「スピリット・オブ・エクスタシー」のエレガントな躍動感をビスポークによる優雅な刺繍で表現。また、試作を経て6層にわたって様々な密度で複雑に織り込む「タタミ・ステッチ」を採用。ドアに施された刺繍は、ブルー・グレー、アークティック・ホワイト、スピリット・ブルー、パウダー・ブルー、パステル・イエローの糸を組み合わせた約63万3000ものステッチに、イルミネイテッドパーフォレーションを加えた、ロールス・ロイス史上もっとも複雑なデザインとなっており、夜になると刺繍は魅惑的な輝きを帯び、内側から光を放っているように見える。シートは、ほのかに反射する光沢のあるツイル生地仕立てとなる。さらに、フロントダッシュパネル全体に伸びる7本のリボンで構成され、それぞれが無垢のアルミニウムから削りだされた後、「スピリット・オブ・エクスタシー」像と同じ、きめの細いセラミックで仕上げたビスポークのアートワーク「セレスティアルパルス(天空の鼓動)」で、エッジは光を取り込む鏡のように磨き上げられ、動きと流動性を演出。天井は、「スピリット・オブ・エクスタシー」の流れるようなドレスにインスピレーションを得たアニメーションが特徴のスターライト・ヘッドライナーを採用。すべて手作業で独自パターンで配置された1500個の光ファイバーの「星」が順々に光を放ち、動きのある感覚を演出。さらに、通常よりも大きめに作られた4450個のパーフォレーションとメタリックシルバーの生地が微妙な光の相互作用を生み出すとしている。