ホンダ、過去に販売した四輪車で型式認証試験に関する不適切な事案を確認

ホンダは、過去に販売した四輪車について、型式指定申請に必要な騒音試験や原動機車載出力試験などで、試験条件の逸脱や試験成績書に実測値と異なるデータを記載するなどの不適切な事案があったことを確認。また、現行販売や今後販売を予定している四輪車の認証試験における不適切な事案は確認されていない。
なお、社内で技術検証や実車試験などを行ない規定された法規基準を満たしていることが確認できているため、法規に関わる完成車性能への影響はないと考えている。このため、当事案の対象車種を現在利用しているユーザーにおいては、使用を継続するにあたって対応をする必要はないとしている。

騒音試験における不適切事案は、2009年2月~2017年10月に実施した騒音試験において「試験車両の重量設定について、法規の規定範囲を超えた重量で試験を実施(試験条件の不備)」「試験成績書において、実際に試験を行なった車両の重量とは異なる規定範囲内の数値を記載(虚偽記載)」の2事案を確認。試験実施後に設計変更などに伴い車両重量が変化すると再試験が発生する可能性があり、車両重量を法規より厳しい条件に設定して試験を行なうことで、騒音性能は保証できると解釈し、再試験の工数を増やさずに済むと考えてしまったとのこと。

2013年5月~2015年6月に実施した原動機車載出力試験、電動機最高出力及び定格出力試験において「試験結果の出力値及びトルク値を書き換えて試験成績書に記載(虚偽記載)」する1事案を確認。試験結果が同一諸元の原動機や電動機を搭載する機種の諸元値に未達または過達の場合、追加の解析が発生する可能性があるものの、諸元値に対する差がわずかだった場合には性能のばらつきの範囲内であると考え、すでに認証を取得している機種の諸元値に書き換えることで追加解析の発生を回避し、工数を増やさずに済むと考えてしまったとのこと。

2013年4月~2015年1月に実施した原動機車載出力試験において、法規では発電機を作動させた状態で試験を行なうべきところ、作動させずに実施し、別の同一原動機試験で得られた補正値を用いて数値を算出し、これを発電機を作動させた状態と同等の試験結果とみなすという試験条件の不備を確認。発電機を作動させた状態での測定が試験条件であることが試験マニュアルに規定されておらず、補正値を用いて算出した数値が、定められた条件での試験結果と同等であるとみなし、工数を増やさずに済むと考えてしまったとのこと。
『騒音試験における不適切事案の対象車両]

[原動機車載出力試験/電動機最高出力及び定格出力試験における不適切事案の対象車両]

[原動機車載出力試験(ガソリン機関)における不適切事案の対象車両]