トヨタ新ハイブリッドの狙い…パリモーターショー

欧州でワールドプレミアされた「カローラツーリングスポーツ」に搭載される注目のパワートレインは、2.0Lエンジンを組み合わせた新開発のハイブリッドシステムになるでしょう。
2.0Lエンジン用ハイブリッドシステムは、THS IIながら「プリウス」などに使われる1.8Lエンジンのタイプに比べて排気量がアップしただけでなく、全面的に新設計になる。
パワーコントロールユニットは、1.8Lタイプに比べて20%の小型化と、10%の軽量化がおこなわれてトランクアクスル(トランスミッションとファイナルギア・デフギアを一体化した装置)の直上に搭載できるようになり、トランクアクスルは従来比25%もの損失低減を実現。モーターやジェネレーターも小型化され、これはタイヤの切れ角アップにも効くという。また、駆動用バッテリーは、セルを168個から180個に増やして総電圧を201.6Vから216.0Vに性能を高めつつ、コンパクト化を実現した。
まず、動力性能で驚くのはエンジンの最高出力で、1.8Lが98psなのに対し、2.0Lは153ps。わずか200cc増えただけで、最高出力は1.5倍以上になっている。モーター出力は不明だが、システム出力は122psに対して、180psとこちらもほぼ1.5倍とかなりの差。ハッチバックにおける0-100km/h加速は1.8Lの10.9秒から7.9秒へと大幅に短縮されている。
ただし、燃費は欧州カタログ値で1.8Lの3.4L/100km(29.4km/L)から3.8L/100km(26.3km/L)に落ちている。
また、この新ハイブリッドユニットには、新型ではラインナップされていないディーゼルエンジンの代わりを果たすという役割(動力性能/燃料コスト)も背負っていると思われる。