トヨタとPSA、欧州での新たな協業関係に合意

トヨタ自動車とグループPSAは、欧州での小型商用車のOEM供給や、2002年に設立した小型車生産の合弁会社「トヨタ・プジョー・シトロエン・オートモビル・チェコ(TPCA)」の運営において、新たな協力関係の構築で合意した。

トヨタの欧州統括会社であるトヨタモーターヨーロッパ(TME)とPSAは、2012年より、欧州にて小型商用車の分野でも協力している。PSAは、プジョー「エキスパート」およびシトロエン「ジャンピー」をベースにした小型商用車「プロエース(PROACE)」をオルデン工場(フランス)で生産し、TMEにOEM供給している。また、PSAオルデン工場は1992年設立。2017年の生産実績は、約13万5000台で「プロエース」のほかに、プジョー「エキスパート/トラベラー」、シトロエン「ジャンピー/スペースツアラー」を生産している。

今後、2019年末よりPSAからTMEに、PSAのビーゴ工場(スペイン)で生産された小型バンも供給する。また、PSAビーゴ工場は1958年設立。2017年の生産実績は、約43万4000台でプジョー「パートナー/リフター」「301」、シトロエン「ベルランゴ」「C4」「スペースツアラー」「C-エリーゼ」、オペル/ボクスホール「コンボ」を生産している。

今回の関係強化の目的は欧州において、両社それぞれの強みを活かし、小型車のみならず小型商用車も提供することで開発や生産コストを最適化し、互いにその恩恵を受けることでしょう。
TMEは、今回の小型バンの開発費や設備投資について、応分の負担をする。

TPCAについて、PSAが保有するTPCA株式を全株式、TMEが取得し、2021年1月からTPCAはTMEの完全子会社となる。これはトヨタとPSAが2002年に締結した小型車共同生産の合弁契約に含まれていた、持ち株比率見直しに関する条項に基づくものである。

TPCAでは、欧州市場向けに開発されたエントリーレベルの小型乗用車「トヨタアイゴ」「プジョー108」「シトロエンC1」を生産している。今後も同モデルの生産を継続し、生産と雇用は維持する予定。TPCAのTME完全子会社化により、TPCAはトヨタの欧州における8拠点目の工場になる。

《トヨタ・プジョー・シトロエン・オートモビル・チェコ(TPCA)概要》(2018年1月時点)
会社名:Toyota Peugeot Citroen Automobile Czech(TPCA)
工場概要:車両生産工場(プレス、ボデー、塗装、組立工場)
設立時期:2002年3月
生産車種:小型乗用車「トヨタAygo」、「プジョー108」、「シトロエンC1」
生産開始時期:2005年2月
所在地:チェコ共和国コリン市(プラハから東に60km)
社長:青木 是篤(あおき これあつ)
社員数:約2,400名
資本金:5,140,000,000 CZK(約257億円 1 CZK=5円で換算)
株主及び持株比率:TMC 50%、PSA 50%
生産能力(年間):300,000台
生産実績(2017年):約199,000台
累計生産台数:約3,300,000台
累計投資額:非公表