トヨタが国内販売網の大改革…トヨタブランド車は全系列扱いへ

トヨタ自動車は9月27日、トヨタ店やカローラ店など全系列の車種を全店舗共通にし、国内で販売する全種を全ての販売店で販売するのを検討している。今後、モデルチェンジなどを機会に専売車種を廃止し、全系列扱いに変更していく。2025年ごろの実現を目指す。

トヨタは1946年にトヨタ店を発足させ、53年にトヨペット店、61年にカローラ店、68年にオート店。80年にはビスタ店を発足させて一時は5系列で展開していた。その後、オート店は99年にネッツ店に改称、さらに2004年にはビスタ店と統合した新ネッツ店としてスタートする。現在は、高級車中心のトヨタ店、中級車のトヨペット店、大衆車のカローラ店、若者をターゲットにしたネッツ店の四つの販売系列を展開。トヨタブランドの国内販売店は280社、営業所は約5000店ある。

現在は、高級セダンのトヨタ店や若者向けのネッツ店など、四つの系列で異なる車種を販売し、顧客層で販売網をすみ分けてきたが、今後は系列ごとの区別を無くす。それに伴い販売車種を大幅に絞り込み、開発費の削減などで利益率の拡大につなげる。

最近では17年7月に全面改良した「カムリ」をカローラ店専売からトヨペット店(一部トヨタ店も)およびネッツ店でも販売している。また、ハイブリッド車の「プリウス」やコンパクトSUV「C-HR」などすでに全系列で取り扱っている車種もある。

また、1台の車を複数の人で利用するカーシェアの需要が高まっており、トヨタとして国内で初めて参入する。東京の直営店で来春から始め、独立資本のディーラーに広げる方針。国内の新車販売が伸び悩む中、新車販売以外のサービスを担うことで、収益源の確保も図る。