キャデラック、バッテリーEVモデル新型『リリック』日本上陸・・1100万円

キャデラックは、ブランド初のBEV(バッテリー電気自動車)モデル『リリック』を、3月8日に発売する。右ハンドル仕様で価格は、1100万円。デリバリー開始は、2025年5月以降の予定。

ブランド初のBEV『リリック』のエクステリアは、流麗なサイドシルエット、ルーフラインや流れるようなAピラーとウエストライン、3mを超えるロングホイールベースにより、優美で圧倒的なプロポーションを創出。標準装備の21インチホイールとともに、ラグジュアリーEVにふさわしい風格を表現。また、新世代のキャデラックデザイン言語を採用したフロントフェイスは、ブラックのクリスタルシールドの中央に位置するクリアタイプのキャデラッククレストによって、新世代BEVである事を印象付けている。さらに、キャデラックの象徴ともいえる縦長LEDヘッドランプが上部のスワイピングLEDウィンカーとともに、存在感ある美しいワイド&ローのフロントスタイリングを際立たせている。加えて、往年のキャデラックを彷彿とさせる美しいリアデザインには、1967年型『エルドラド』のオマージュとしてデザインしたテールランプを採用。また、クラストップレベルの広さを誇る電動サンシェード付きガラスルーフを搭載し、差し込む光がインテリアを美しく演出するほか、スポーティなスタイリングを強調している。ボディサイズは、全長4995㎜×全幅1985㎜×全高1640mm、ホイールベース3085mm。車両重量は、2650kg。

インテリアは、洗練されたシンプルかつダイナミックな造形のコックピットを実現。ドライバーの正面には、湾曲型にデザインした33インチアドバンスドカラーLEDディスプレイ、宙に浮いているかのようなセンターコンソール、上質さと未来的な印象を作るリアルなウッドパネルを装備。ドアパネルには、業界初のレーザーエッチングバックライトを配し、煌くような光の動きを生み出す「こもれび」を採用し、キャビン全体に温かみのある空間を演出。運転席にある湾曲型33インチアドバンスドカラーLEDディスプレイは、機能別に3つのゾーンで区切り、9Kに匹敵する解像度と右ハンドル仕様に合わせたレイアウトを実現。直感的な操作でスマートなドライビングをサポートしてくれる他、AKGの19個スピーカーシステムも備えている。また、ロータリーコントローラーには、高級感あふれるローレット加工を施し、ウッドパネルに映える洗練された輝きを創出。室内は、クラス最高レベルの広さの後席レッグルームをはじめ、電動開閉式のテールゲートを備えたラゲージスペースは、通常793Lで、最大1722Lの容量を誇る。ドアパネルやフットウェルなど好みに応じて照明色を選択できるアンビエントライトは、126色を用意。シートは、ロングドライブでも快適に過ごせる新開発の高密度フォームを採用し、レザーに代わる動物由来ではないサステナブルな素材「インタラックス」を標準装備。さらに、乗員が車内の空調を設定すると、バッテリーシステムから発する余分な熱を活用し、車内に送り込んで温める「ヒートポンプシステム」を完備。厳しい冬でも効率性を維持できるよう設計している。フロントシートは、ヒーター&ベンチレーションを標準装備し、リアにもシートヒーターを備えている。

ボディは、あらゆる部分に吸音材や制振材を施す事でノイズを減らし、騒音を低減。フロントとサイドには、二重ガラスをリアガラスには5mm厚の強化ガラスを採用。また、車体四隅に配置した3軸加速度センサーでタイヤからの振動を検知し、キャビン内のマイクセンサーで検知したノイズと合わせて不快な侵入音を打ち消し、高レベルの静寂性を追求する「次世代型アクティブノイズキャンセレーション」を採用している。

BEV『リリック』は、出力を選択できる駆動モーターなど、電力の変換や制御、供給を統合したパワーエレクトロニクスと、バッテリーセルを組み合わせた独自のモジュラーシステムで構成された全く新しいBEV専用プラットフォームを採用。車両下部に沿って路面と、水平に配置されたバッテリーを前後のタイヤ間に収める事で、低重心による安定性の向上と、構造上の強度を確保。前後重量配分も理想値といわれる50:50を実現。また、前後2モーターからのシステムトータル最高出力は、384kW(約522PS)で、最大トルクは、610Nmを発揮。さらに、回生ブレーキ機能により、アクセルペダルだけで加速から停止まで行なえるスムーズなワンペダルドライブを実現。回生ブレーキは、3つのレベルから選択可能な他、2モーター仕様では、一般的な電気自動車のほぼ2倍の最大0.4Gの回生ブレーキ性能を発生。回生したエネルギーは、バッテリーに送られて航続距離の伸長に寄与。ステアリングのパドルを使用した回生ブレーキの操作も可能で、パドル操作のみで完全停止まで制御可能とした。その他にも、前後それぞれの車軸にモーターを搭載したデュアルモーター仕様のeAWDシステムによって、優れた俊敏性と、よりパワフルかつ長い航続距離を両立。前後モーターを独立して制御する事で、4種類のドライブモード(ツアー、スポーツ、スノー/アイス、マイモード)に準じたトラクションと安定性を確保。また、必要に応じて前後の駆動トルクの配分を最適化する他、フロントサスペンションにはマルチリンク式を採用し、ステアリングシステムにはトルクオーバーレイを導入し、精密な制御や補正を行なう事で常に正確なハンドリングを実現。走行性能は、長距離ドライブを可能にする為、容量95.7 kWhのバッテリーを搭載。1回の充電での走行距離は、510kmを実現。自宅で通常使用する100Vで充電できる他、200Vの電源を用意すれば充電時間を短縮する事が可能。外出先では、急速充電(日本仕様ではCHAdeMOに対応)を利用して充電時は、希望の充電終了レベルを設定する事も可能。また、寒冷地での走行に対応する為、ワイパーパーク部分に内蔵されたヒーターが効果的に雪や氷を融解させ、迅速にワイパーが使用可能となる「ワイパーヒーター」を搭載。これにより、時間の節約だけでなく結果的に航続距離も伸ばせるとしている。

『リリック』には、高度なレーダーやカメラ、超音波センサー技術を活用し、周囲の交通を感知および監視。「アダプティブクルーズコントロール」や「レーンキープアシスト」などの運転支援システムと連動し、あらゆるシーンで事故リスクの低減する他、リアカメラミラーは、ズーム機能や明るさ調整に対応し、視界や視認性を向上。また、20km/h以下で走行中、歩行者や自転車に車両の接近を知らせる車両接近通報装置も備え、感情に響くように設計した長音と完全五度の音程とオーストラリア古代楽器「ディジュリドゥ」の音を組み合わせた人間味のある豊かで心地よい独自の警告音を開発。キャデラックとして初めて搭載した「サイドバイシクルアラート」と合わせて周囲の安全も確保できる、としている。