アルピナ、新型『BMW ALPINA B8 GT』創業家が手掛ける最後のグランクーペは世界限定99台
BMW車をベースにしたハイエンドモデルを生み出すアルピナの輸入事業者であるニコルレーシングジャパンおよび日本総代理店のニコルオートモビルズは、1月20日に新型『BMW ALPINA B8 GT』を発売した。世界限定99台で日本への割り当ては30台。価格は、左ハンドル仕様が3495万円、右ハンドル仕様が3540万円。

エクステリアは、新デザインでより印象的な存在感を放つディフューザーやフロントバンパーのエアダクト、サイドダイブプレーン、エアブリーザーのトリムなど、すべてカーボンファイバーを採用。また、21インチのアルピナクラシック鍛造ホイールは、アルミニウムサテン仕上げとし、複雑な鍛造工程により繊細で深い光沢を湛えた鏡のような表面を再現しつつ、マットクリアのコーティングも施されている。ホイールセンターキャップは、アルミニウム無垢材からの削り出しとなっている。さらに、他モデルでは、オプション設定となっているフローティングタイプのドリルドベンチレーテッドディスクと、摩擦係数の高いブレーキパッドにより、優れた制動力を発揮する「アルピナハイパフォーマンスブレーキシステム」を標準装備。Bピラーと、トランクエンドには「B8 GT」のロゴが、ドアシルプレートには創業家ブルカルトボーフェンジーペン氏のサインがあしらわれ、限定モデルの価値を一層引き立てている。ボディカラーは、定番の伝統色である「アルピナブルー(標準)」と「アルピナグリーン(標準)」に加え、「アークティックレースブルー」「ヴェルダントグリーンパール」「パープルシルク」「エニグマティックブラック」「クリスタルカッセリットブラック」も選択可能。さらに、「アルピナブルー」または「アルピナグリーン」と「ブラックサファイア」を組み合わせた2トーンも設定している。










インテリアは、全て熟練の手作業によって仕上げられる。専用のフルレザーシートは、高品質なメリノレザーと、シートセンター部分にアルカンターラが組み合わせられた仕様で、シートバックレスト上部には創業家のサインが刺繍されている。また、アルピナウォールナットアンソラサイト仕上げの高級ウッドトリムにもサインが刻まれる。さらに、シルバーのアルピナ製フルアルミニウムシフトパドルやラゲッジコンパートメントマット、フロアマットにも「B8 GT」のロゴがあしらわれるほか、インテリアとエンジンルームにはシリアルナンバーが刻またステンレススチールのプレートも備えている。






パワートレインは、V型8気筒4.4リッターターボエンジンを搭載。このエンジンは、2つの新しいエアボックスにより、ロスを減らした吸気システムと、それに合わせたエンジンマネジメントとブースト圧の見直しにより、標準モデルよりも9kW(13PS)の出力向上と50Nmのトルク増を実現。最高出力466kW(634PS)、最大トルク850Nmを発揮し、アルピナ史上もっとも高出力かつ強力なエンジンとなる。トランスミッションは、高トルクに最適化されたZF製の8速ATが組み合わせられる。0-100km/h加速は、3.3秒で、10.5秒で200km/hに到達。最高速は、330km/hを誇る。ステアリングモードは、「COMFORT」「SPORT」「SPORT+」の3つを設定し、高速走行時のスタビリティもさらに強化し、車体の動きが抑えられることで長距離走行時の快適性もさらに向上している。エレガントなブラック仕上げのツインテールパイプは、創業家ブルカルトボーフェンジーペン氏へのオマージュで、新しいセンターサイレンサーの採用している。


『B8 GT』には、黒い最上級のラヴァリナレザーで作られた専用ウィークエンダーバッグが2つ付属。ジッパーとバッグの両側にはALPINAのロゴが入り、創業家ブルカルトボーフェンジーペン氏の署名と、車両のシリアルナンバーが刻まれたステンレススチールのプラークも付属。車両のキーを収納するスペースも備わっている。そのほかにも、スイスの時計宝飾店カール F. ブヘラの「マネロフライバック」をベースとした限定クロノグラフ(腕時計)も付属。文字盤をエレガントなブルーとし、控えめなシルバーのALPINAのロゴがアクセントとして入る。この専用時計は、『B8 GT』と同じく世界限定99本のみの生産で、ブルーのステッチが施された黒のラヴァリナレザーのストラップが付属する。
なお、2025年末をもってアルピナのブランド商標権をBMWに譲渡することが決まっており、これがアルピナ創業家ボーフェンジーペン家が手掛け、ブッフローエで製造されるモデルとしては最後となる。また、今後ボーフェンジーペン家は新たに「BOVENSIEPEN」として、クラシックカー関連事業への投資や、これまでと異なる情熱的で新しいモビリティの開発に挑戦し続けるとしている。

