いすゞ、路線バス『エルガEV』ショートホイールベース・都市型モデルを先行発売

いすゞ自動車は、5月28日にバッテリーEV(BEV)路線バス『エルガEV』の一部車型として、ショートホイールベース・都市型モデル(型式:ZAC-LV828L1)を先行して発売した。東京地区の価格は、6578万1980円。

『エルガEV』には、リアアクスルの左右それぞれにモーターを内蔵した「インアクスルモーター」の採用により、フロアを低床化。併せてバッテリーパックを屋根上と車体後部の床下に配置したことで、フロアレイアウトの自由度が高まり、車内前部の乗降口から最後部座席まで段差のないバリアフリー化を実現。

動力性能は、最大出力250kW(125kW×2)、最大トルク960Nm(480Nm×2)と、従来のディーゼルエンジンモデル『エルガ』と同等を確保。一充電走行距離は、360km(30km/h一定速、国土交通省届出値)と、路線バスで使用される航続距離をカバー。充電については、国内主流の350Vで充電できる高電圧バッテリーを採用し、3.2時間で20%の残量から80%まで充電可能。災害時には、救援車として『エルガEV』から電力を取り出す外部給電機器と接続し、家電機器などに電力供給もできる(V2L機能)。

そのほかにも、国内路線バスで初採用となる先進安全機能として、「DSM(ドライバーステータスモニター)」で、ドライバー異常を検知して「EDSS(ドライバー異常時対応システム)」が作動すると、車両が停止した後に自動でパーキングブレーキが作動し、坂道などでも安全に車両を停止させる機能を採用。乗客の利便性や安全性を向上し、BEVのスムーズな加速感と低騒音・低振動にあわせて快適性も大幅に向上させている。

[エルガEVショートホイールベース・都市型モデルの主要諸元]
・型式:ZAC-LV828L1
・1万545×2485×3330mm(全長×全幅×全高。設計値)
・ホイールベース:4990mm
・モーター種類:交流誘導電動機
・最大出力/最大トルク:250kW(125kW×2)/960Nm(480Nm×2)
・バッテリー種類:リチウムイオンバッテリー
・バッテリー容量:245.3kWh(社内参考値)
・充電方式:急速充電(CHAdeMO)
・一充電走行距離:360km(30km/h一定速、国土交通省届出値)
・最小回転半径:7.8m
・乗車定員:70人