「トヨタ・スポーツ800」のレーシングカーが復活

トヨタ自動車は2017年9月19日、復元作業を施した、「トヨタ・スポーツ800」のレーシングカーを発表した。
「トヨタ・スポーツ800」は、トヨタがパブリカをベースに1965年から1969年にかけて製造した小型スポーツカーである。愛好者からは「ヨタハチ」の通称で呼ばれている。「スポーツ800」のボディサイズは、全長3,580mm、全幅1,465mm、全高1,175mmで、コンパクトな車体になっている。エンジンは、790㏄、45ps の空冷2気筒で、パプリカの非力なエンジンを流用している。そのため徹底的に空気抵抗の軽減と、車両の軽量化で車重を580㎏まで抑えている。軽量化と空気抵抗が軽減された設計により、非力なエンジンでありながら最高速155km/h を実現している。また、トヨタが1965年から研究を進めていたハイブリッド車の試作車両として、1977年の東京モーターショーに出展しており、元祖のハイブリッド車になる。この時のハイブリッド車は、ガスタービンエンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを採用していた。
今回の個体は、1966年に開催された「第1回鈴鹿500kmレース」において1-2フィニッシュしたうちの1台(フレームナンバー:UP15-10007)で、修復後は「スポーツ800 GR CONCEPT(コンセプト)」の呼び名が与えられている。
作業に際しては、TOYOTA GAZOO Racingのエンジニアにより、内外装のレストアのみならず、運動性能に関わるチューニングも施されている。その過程では匠といわれるベテランから若手まで多くのメンバーが参加、技能伝承と人材育成も行われた。